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【2025年版】CADオペレーターの平均年収・将来性を解説

【2025年版】CADオペレーターの平均年収・将来性を解説

CADオペレーターってどんな仕事?」「年収って実際どうなの?」
そんな疑問にお答えするため、この記事ではCADオペレーターの仕事内容から年収相場、将来性、未経験から目指す方法までをわかりやすく解説します。
手に職をつけて安定した仕事に就きたい20代の方に向けて、最新情報をお届けします!

【この記事のポイント】

そもそもCADオペレーターとは?

主な仕事内容(トレース、修正、モデリングなど)

CADオペレーターは、「キャドオペレーター」と読みます。「CAD」とは、Computer-Aided Design(コンピューター支援設計)の略で、パソコンを使って設計図面を作成するためのツール(ソフト)のことです。

つまり、CADオペレーターとは、CADソフトを使って、設計者(建築士やデザイナーなど)の指示に従って図面を作成したり、修正したりするお仕事です。

働く業界(建築、機械、土木、アパレルなど)

CADは、様々なものづくりの分野で使われています。そのため、CADオペレーターが活躍できる業界も多岐にわたります。

  • 建築・土木業界
    建物の設計図(意匠図、構造図、設備図など)を作成します。
  • 機械業界
    機械部品や装置の設計図を作成します。自動車、家電、産業機械など分野は様々です。
  • インテリア業
    店舗や住宅の内装デザインに関する図面を作成します。
  • アパレル業界
    洋服の型紙(パターン)をCADで作成します。
  • そのほか
    家具、ジュエリー、電気・電子回路など、図面が必要なあらゆる業界で活躍の場があります。

このように、自分の興味や関心に合わせて働く業界を選べるのも、CADオペレーターの魅力の一つです。

【雇用形態別】CADオペレーターのリアルな平均年収

さて、さっそくCADオペレーターの年収について見ていきましょう。働き方によって年収は変わってきます。厚労省によると、CADオペレーターの全国平均年収は、452万円であるとされています。
国税庁が発表している日本人の平均年収が、460万円ですので、平均値に近い年収であることがわかります。

参考元:厚生労働省 職業情報提供サイト「CADオペレーター」
参考元:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

雇用形態平均年収特徴
正社員350万円〜500万円安定した働き方。スキル次第で500万円以上も可能。
派遣社員280万円〜450万円柔軟な働き方を選べる。
フリーランス300万円〜600万円実力次第で高収入だが、不安定。
アルバイト・パート100万円〜200万円扶養の範囲内での勤務、時短など。

正社員CADオペレーターの平均年収と年収範囲

正社員(正社員型の派遣社員も含む)のCADオペレーターの平均年収は、おおよそ350万円~500万円程度が相場と言われています(2025年時点)。

ただし、これはあくまで平均値です。勤務先の企業の規模、業界、本人の経験やスキルによって大きく変動します。経験を積んだり、専門性の高いスキルを身につけたりすることで、年収600万円以上を目指すことも可能です。

未経験からスタートする場合は、年収300万円前後からのスタートとなることが多いようです。

派遣社員CADオペレーターの平均時給と年収換算

時給制の一般派遣社員として働くCADオペレーターも多くいます。派遣社員の場合、給与は時給制が一般的です。

平均時給は1,500円~2,000円程度が相場です。スキルや経験、勤務地によって時給は異なります。特に、専門性の高いスキルや実務経験が豊富な場合は、時給2,500円以上になることもあります。

仮に時給1,800円で、1日8時間、月20日働いたとすると、

  • 月収:1,800円 × 8時間 × 20日 = 288,000円
  • 年収換算:288,000円 × 12ヶ月 = 3,456,000円 となり、正社員の平均年収に近い収入を得ることも可能です。派遣社員は、働く時間や期間を選びやすいというメリットもあります。

フリーランスCADオペレーターの年収目安

CADオペレーターは、フリーランス(個人事業主)として独立して働くことも可能です。フリーランスの場合、年収は個人のスキル、営業力、受注する案件によって大きく変動します。

年収300万円~1,000万円以上と、非常に幅が広いです。高い専門性や特定の分野での実績があれば、会社員時代よりも高い収入を得られる可能性があります。ただし、自分で仕事を探し、価格交渉や確定申告なども行う必要があるため、総合的なビジネススキルも求められます。

【参考】アルバイト・パートの場合

アルバイトやパートとして働く場合は、時給制がほとんどです。時給は1,100円~1,500円程度が一般的ですが、地域や業務内容によって異なります。扶養内で働きたい方や、短時間勤務を希望する方に適した働き方です。

【属性別】CADオペレーターの年収相場を深掘り

同じCADオペレーターでも、様々な要因で年収は変わってきます。ここでは、どのような要素が年収に影響するのかを詳しく見ていきましょう。

年代・経験年数による年収の違い(未経験~ベテランまで)

CADオペレーターの年収は、経験年数とともに上昇する傾向があります。

  • 未経験~3年目: 年収300万円~350万円程度。まずは基本的な操作を覚え、経験を積む時期です。
  • 3年~5年目: 年収350万円~450万円程度。応用的なスキルを身につけ、より複雑な業務を任されるようになります。
  • 5年目~10年目: 年収400万円~550万円程度。チームリーダーを任されたり、後輩の指導にあたったりすることもあります。
  • 10年目以上: 年収500万円以上。高い専門性を持ち、設計補助だけでなく、提案などもできるようになると、さらに高い年収を目指せます。

経験を積むことで、任される業務の幅が広がり、それに伴って年収もアップしていくのが一般的です。

業界による年収の違い(建築、機械、土木は高い?)

働く業界によっても、年収水準は異なります。一般的に、建築、機械、プラント、土木といった分野は、他の業界に比べて年収が高い傾向にあります。

これは、これらの業界では、より専門的な知識や高度なCADスキルが求められることが多いためです。また、プロジェクトの規模が大きいことも理由の一つとして考えられます。

ただし、アパレルやインテリア業界でも、高いスキルやデザインセンスがあれば、高収入を得ることは可能です。

地域による年収の違い(都市部 vs 地方)

他の多くの職種と同様に、CADオペレーターの年収も地域によって差があります。一般的に、東京、大阪、名古屋などの都市部は、地方に比べて年収が高い傾向にあります。特に愛知県は、主要な自動車メーカーの製造拠点となっておりCADオペレーターの年収が他の地域よりも大きく高い傾向にあります。

近年はリモートワーク(在宅勤務)を導入する企業も増えています。地方にいながら都市部の企業の仕事を受けられる可能性も広がってきており、地域による年収差は以前よりも縮小していくかもしれません。

地域別CADオペレーターの平均年収

※参考元:厚生労働省 職業情報提供サイト「CADオペレーター」

保有スキル(2D/3D、BIMなど)による年収差

CADオペレーターの年収を左右する大きな要因の一つが、保有スキルです。

  • 2D CAD: 図面を平面で作成する基本的なスキルです。多くのCADオペレーターが習得しています。
  • 3D CAD: 図面を立体的に作成するスキルです。製品の形状を視覚的に把握しやすく、設計の効率化やプレゼンテーションに役立ちます。近年、3D CADスキルを持つ人材の需要は非常に高まっており、2D CADのみのオペレーターよりも高い年収が期待できます。
  • BIM (Building Information Modeling): 特に建築業界で注目されているスキルです。3Dモデルに、コストや材料、管理情報などの属性データを追加し、設計から施工、維持管理までの情報を一元管理する手法です。BIMを扱える人材はまだ少なく、非常に市場価値が高いため、大幅な年収アップが見込めます。

汎用的なCADソフト(AutoCADなど)に加えて、業界特有のCADソフト(建築ならRevitやARCHICAD、機械ならSolidWorksやCATIAなど)を扱えると、さらに有利になります。

CADオペレーターの将来性は?今後の需要とキャリアパス

「CADオペレーターの仕事は将来なくなるのでは?」と心配する声も聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか?

AI・自動化による影響は?仕事はなくなる?

AI(人工知能)や自動化技術の発展により、単純な図面作成作業の一部は、将来的に自動化される可能性はあります。特に、定型的なトレース作業などは、AIが得意とする分野かもしれません。

しかし、CADオペレーターの仕事が完全になくなる可能性は低いと考えられます。なぜなら、CADオペレーターの仕事は、単にソフトを操作するだけではないからです。

  • 設計者の意図を正確に汲み取り、図面に反映させるコミュニケーション能力
  • 複雑な指示や、予期せぬ変更への柔軟な対応力
  • 専門分野に関する知識に基づいた判断

これらは、現在のAI技術では代替が難しい部分です。むしろ、AIや自動化ツールを使いこなし、より効率的に、より付加価値の高い業務を行えるCADオペレーターの需要は、今後さらに高まる可能性があります。

今後求められるCADオペレーター像とスキル

これからの時代に活躍するCADオペレーターには、以下のようなスキルや資質が求められるでしょう。

  • 3D CADスキル
    2Dだけでなく、3Dモデルを作成・編集できる能力は必須に近くなります。
  • 専門分野の知識
    担当する業界(建築、機械など)の専門知識を深めることで、設計者の意図をより深く理解し、的確な作図ができるようになります。
  • コミュニケーション能力
    設計者や他の関係者と円滑に連携するための能力は、ますます重要になります。
  • 新しい技術への適応力
    AIや新しいCADソフトなど、常に進化する技術を学び続ける姿勢が大切です。

単なる「作業者」ではなく、専門知識とコミュニケーション能力を兼ね備え、主体的に業務に取り組める人材が、今後ますます求められるでしょう。

CADオペレーターからのキャリアパス事例

CADオペレーターとして経験を積むことで、様々なキャリアパスが開かれています。

  • CAD設計者: オペレーターとしての経験を活かし、自ら設計を行う設計者を目指す道です。より専門的な知識や創造性が求められますが、年収アップも期待できます。
  • 施工管理: 建築・土木業界の場合、図面の知識を活かして、工事現場の管理を行う施工管理技士を目指すことも可能です。
  • CADインストラクター: 自身のスキルや経験を活かし、CADスクールなどで講師として活躍する道もあります。
  • フリーランス: 高いスキルと実績があれば、独立してフリーランスとして活躍することも可能です。

このように、CADオペレーターは、スキルアップや経験次第で、多様なキャリアを築くことができる、将来性のある仕事と言えるでしょう。

未経験からCADオペレーターになるには?

「CADなんて使ったことないけど、大丈夫かな…?」という方もご安心ください。CADオペレーターは、未経験からでも十分に目指せる仕事です。

必要なスキルとおすすめの学習方法(独学、スクール)

未経験からCADオペレーターを目指す場合、まずは以下のスキルを身につける必要があります。

  • 基本的なPCスキル: WordやExcelの基本操作、ファイル管理など、一般的なPCスキルは必須です。
  • CADソフトの基本操作: 求人でよく使われているCADソフト(AutoCADなど)の基本的な操作方法を習得しましょう。

学習方法としては、主に以下の3つがあります。

  • 未経験で応募可能な会社に入社する
    未経験でも応募可能で、かつ研修体制が充実している会社の内定をもらうのが何よりも一番の近道です。初日から給与が発生し、かつ専任の講師に教えてもらったうえで、段階的に実務に携わることが出来るからです。重要なのはCADで実績のある会社を選ぶことです。
  • 独学
    書籍やオンライン教材を使って自分で学習する方法です。費用を抑えられますが、疑問点を質問できない、モチベーション維持が難しいといったデメリットもあります。
  • 職業訓練校
    ハローワークが提供する職業訓練(求職者支援訓練など)を利用する方法です。無料でCADスキルを学べるコースが多くありますが、開講時期や定員が決まっています。
  • CAD専門スクール
    民間のスクールに通う方法です。費用はかかりますが、体系的なカリキュラムで効率的に学べ、就職サポートが充実している場合が多いです。オンラインで学べるスクールもあります。

どの方法が自分に合っているか、費用や期間、サポート内容などを比較検討してみましょう。

参考:「CAD関連の資格8選!初心者におすすめの資格や勉強法も解説」

未経験からのキャリアパスと年収目安

未経験でCADオペレーターとして就職した場合、初年度の年収は250万円~300万円程度が一般的です。まずはアシスタント的な業務からスタートし、実務を通してスキルを磨いていくことになります。

そこから経験を積み、スキルアップしていくことで、徐々に年収は上昇していきます。前述の通り、3年も経験すれば年収350万円以上、さらに経験を積めば年収500万円以上も十分に目指せます。

焦らず、着実にスキルと経験を積み重ねていくことが大切です。

未経験可の求人の探し方のポイント

未経験者向けのCADオペレーター求人を探す際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 「未経験者歓迎」「研修制度あり」の求人を選ぶ: 教育体制が整っている企業であれば、安心してスタートできます。
  • 派遣会社に登録する: 派遣会社は未経験者向けの求人を多く扱っており、スキルや希望に合った仕事を紹介してくれるだけでなく、キャリア相談にも乗ってくれます。大手派遣会社では、無料のCAD研修を提供している場合もあります。
  • 最初は条件を絞りすぎない: 最初から高い給与や理想の条件ばかりを求めず、まずは実務経験を積むことを優先するのも一つの考え方です。

「自分には無理かも…」と思わずに、積極的に情報収集し、チャレンジしてみましょう!

まとめ|CADオペレーターはスキルと経験次第で高年収も目指せる魅力的な仕事

今回は、CADオペレーターの仕事内容、年収、将来性、未経験からの目指し方について解説しました。

CADオペレーターは、ものづくりの根幹を支える、やりがいのある仕事です。専門スキルを身につけることで、安定した収入を得られるだけでなく、経験を積めば設計者やBIMコーディネーターなど、さらに専門性の高い職種へのキャリアアップも可能です。

「手に職をつけたい」「将来性のある仕事がしたい」と考えているあなたにとって、CADオペレーターは非常に魅力的な選択肢の一つとなるはずです。この記事を参考に、ぜひCADオペレーターへの道を検討してみてはいかがでしょうか。